一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会

訪日市場 Expert eyes(2026年7月17日配信)

訪日市場 Expert eyes(2026年7月17日配信)

「次」と「他」を紹介するまち、小樽

北海道を代表する観光地の一つである小樽。
小樽運河、堺町通り商店街、天狗山など、訪日外国人にも高い人気を誇る観光スポットが数多くあります。

自店だけにとどまらない小樽の案内

私も何度か現地を訪れていますが、小樽の魅力は観光資源の豊富さだけではありません。印象的なのは、多くの事業者の方々が「自分の店や施設だけに満足していない」ことです。

例えば、飲食店では食事を終えた外国人に次のおすすめスポットを紹介する。土産店では近くの見どころを案内する。観光施設のスタッフも、自施設だけでなく周辺エリアの魅力を積極的に伝える。こうした光景を何度も目にしました。もちろん観光案内所では、できるだけ広域で小樽の魅力をかなりの熱量で力説してくれます。

もちろん、自分の店で売上を上げることは大切です。しかし、小樽の事業者の皆さんはそれだけではなく、「せっかく小樽に来てくれたのだから、もっと楽しんでほしい」という視点を持っているように感じます。

「NEXT(次)」と「OTHER(他)」という視点

私はインバウンド対応において「NEXT(次)」と「OTHER(他)」という考え方をよくお話しします。目の前のお客様に対して、自店での体験の次に何があるのか。他にどんな魅力があるのか。それを伝えることで、旅行体験はより豊かになります。

街全体でお客様を迎える文化

小樽では、この考え方が特別な理論として語られるのではなく、日々の接客の中で自然に実践されているように思います。そして、その積み重ねが「街全体でお客様を迎える文化」を生み出し、結果として小樽の高い満足度やリピートにつながっているのではないでしょうか。

永続的な人気を持つ観光地とは、有名スポットがある街ではなく、街全体で次の魅力を紹介し合える街なのかもしれません。小樽を歩くたびに、そんなことを考えさせられます。

首都圏百貨店において、婦人服・リビング用品バイヤーを経て販売推進部に11年間所属。販売促進・広告・広報・装飾などに携わりながら、地域密着の方針のもと店舗営業計画の策定を行う。2016年、USPジャパンに入社。日本百貨店協会をはじめ、多くの小売事業者のインバウンド対応アドバイザーに従事。近年は東京都派遣型アドバイザー・セミナー講師として、飲食店、観光施設、宿泊施設・交通事業者など多岐にわたるインバウンドサポートを行っている。

また、インバウンドの諸問題解決のために国土交通省と連携した「境港の港湾免税販売」や「横浜港のクルーズ事業活性化」の実証実験を担当。一方で、経済産業省と連携して「プレミアムフライデー」の啓蒙および地方案件のプロデュースも行っている。観光庁「世界水準のDMO形成促進事業」における外部専門人材に選定。

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