月例会レポート(2023年3月開催)
オンライン配信運営協力:株式会社エスケイワード(JSTO会員)
JSTOが主催する毎月恒例の月例会(セミナー&交流会)が3月16日、ハイブリッド形式にて開催しました。特別企画座談会ではJNTOハノイ事務所 所長 吉田憲司さんと近鉄百貨店本店 販売推進部 インバウンド推進課グェン・アン・トゥさんをお招きし、「急回復するベトナム人ゲストの買物消費動向」に関するお話をしていただきました。
1. 特別企画座談会「急回復するベトナム人ゲストの買物消費動向」
登壇:JNTOハノイ事務所 所長 吉田憲司氏/近鉄百貨店本店 販売推進部 インバウンド推進課グェン・アン・トゥ氏/JSTO事務局長 新津研一
新津:訪日ゲストの中でもダントツ1位の伸び率のベトナムですが、なぜこんなにベトナムの訪日が伸びているのかについてお話を伺っていきたいと思います。
ではさっそく、吉田さんからベトナムの現地状況について教えていただけますか?
吉田:ベトナムと日本は現在史上まれにみる良好な状況なことは間違いないです。さらに今年は「日越外交関係樹立50周年」を迎えており、追い風しかないといった状況ですね。経済も2022年のGDP成長率は8.02%。第4四半期は5.92%に減速しましたが、2023年は6.5%と定めています。全体的に高成長期です。特にベトナムの人口比率は25~39歳の若い層が最も高いので、これからの成長が見込めています。
新津:グェンさん、個人所得もあがっているような感覚ですか?現地のお友達をみて、羽振りがよくなったなとか感じることはありますか?
グェン:はい、全体的に5年前の所得の2倍くらいになっている感覚です。僕の周りの友達の話ですが(笑)
吉田:ベトナムからの訪日外客数も、2022年は284,131人となり、構成比では7.4%。完全にコロナ前に戻ってきている状況です。
新津:2019年が50万弱だったようですが、このままいくと、今年は年間でどのくらいまでいきそうな感じですか?
吉田:事務所としては50年目なので、50万人を目標としています(笑)
ベトナムは、目的別入国でいうと観光は3割くらいです。従来から技能実習生や留学生が定期的に行き来してくれているので航空便が高い水準で維持できている状況も大きいんです。
新津:インフラが整うというのは重要ですね。留学生が地元で日本のよさを伝えてくれたりもする効果もありますし。
●百貨店の現場に聞く!ベトナム人ゲストの最新の買い物動向
グェン:2022年の人気商品としては、ルイヴィトンなどのブランドの特選洋品が好評です。
吉田:訪日した時のお客さんの単価が高くなっていると聞いてはいたのですが、どんなものが売れているのかとても興味がありました。ベトナムで主流の団体旅行がこれから復活してくると、売れるものも変化は予想されるんでしょうか?
グェン:そうですね、団体旅行が復活したら、また2019年前と同じように化粧品やサプリメントが復活してくると思います。
新津:2019年の団体旅行でサプリメントをお買い上げになっていた訪日ゲストと、現在特選洋品をお買い上げくださっている訪日ゲストだと客層が違うんでしょうか?
グェン:コロナ前までは20代~40代までのお客様が多かったのです。現在はビジネスのために短期滞在にきているお客様が、ついでに百貨店で買物をされている方が多い印象です。吉田さん、今、ベトナムの人は百貨店に何を期待しているんでしょうか?僕は長くベトナムに戻れていないので。
吉田:これからはまた団体旅行が主流になってくると思うのですが、それによって、観光バスで寄れるショッピングエリアを旅行会社さんは気にされてる印象があります。駐車場をどこにするか、そこからお客さんを歩かせるのか、団体客が押し寄せた時にどの程度対応できるかもポイントになってくるかと。そして宿泊施設も、近くにドラックストアがあるか、ドンキやイオンがあるかなども関係してきます。これも他の国と違う特徴かと思います。
新津:近鉄百貨店さんでは、そうした今後のベトナム人の集客のためにどんなことに力をいれてますか?
グェン:あべのハルカスを現地の方たちはまだ知らない人が多いので、SNSでベトナム語で発信をしています。それに、ベトナム語や英語を話せるスタッフの配置や通訳機の導入は拡大も考えています。
吉田:香港や台湾に比べてベトナムは旅行メディアが少ないので、ベトナム語で日本の情報を発信していただけるのはかなりありがたいと思いますね。
新津:吉田さん、グェンさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
2. ミニセミナー
◆2023年度の年度方針
観光再始動プロジェクトと10周年にフォーカス
① 春から1年間全国各地でJapan Shopping Festival を開催
② 観光再始動プロジェクトへのアプローチ/会員のやりたいことと国の事業の連携
③ JSTO10周年事業
4/20月例会でさらに深堀りする予定です!
23年度の会員様/事務局募集について
23年度の会員様の募集を開始しております。定期的な有益コンテンツの提供、会員企業同士のネットワーキングなどにご活用ください。会員企業様へも会員継続のご案内を発信済でございます。 事務局の募集も行っておりますので、ぜひご参加表明をお待ちしております。 どちらも何卒よろしくお願い申し上げます。 4月の月例会は、3月のセミナーからさらに2023年度のJSTOの活動内容について深堀していきます!セミナーに参加して、2023年度大きく舵を切るJSTOをさらに活用ください!
お申込み・詳細はこちらhttps://jsto.or.jp/news/info-230420/ 月例会レポート(印刷版)もご覧ください。
※JSTO会員の方は、月例会(セミナー&交流会)のアーカイブ映像をご提供しております。また、非会員の方で入会希望を検討される方は担当者よりご連絡差し上げます。以下までお問い合わせください。 MAIL:pr@jsto.or.jp JSTOではこれまで培ってきた知見、ノウハウを皆様に提供するため、最新の市況、集客、接客接遇、多言語対応、プロモーション、地方創生、商品開発、免税対策、キャッシュレス対策など各分野の専門家を講師として派遣いたします。 詳 […] 投稿日:2024.10.18
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4. 次回の月例会開催予告
JSTO月例会(2023年3月16日開催)レポート
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