一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会

大連の街で感じた、中国の暮らしと消費の今

大連の街で感じた、中国の暮らしと消費の今

中国東北部、遼寧省(りょうねいしょう)の遼東(りょうとう)半島南端に位置する大連。
海に面した中国有数の港湾都市で、日本との交流も長く、多くの日本企業が進出してきました。

私は大連出身で、現在は日本で暮らしています。
毎年大連に帰っていますが、帰るたびに街の様子や暮らし方が変わっていると感じます。
今回は、その中でも特に印象に残った4つのことをご紹介します。

1.身分証がそのまま乗車券に

今回利用した中国の高速鉄道では、紙の切符もスマートフォンの乗車画面も必要ありません。予約時に登録した身分証明書を改札機にかざすだけで乗車できます。
日本の新幹線でもチケットレス化は進んでいますが、身分証明書そのものが乗車券の代わりになる点は、大きな違いだと感じました。

中国で広く使われているスマートフォン決済「支付宝(アリペイ)」も、以前はアプリを開いてQRコードを表示していましたが、現在はスマートフォンを専用端末にかざすだけで支払える方法が広がっています。

商業施設では、「AI智能零售柜」と書かれた冷蔵庫型の無人販売機も見かけました。スマートフォンのロックを解除して扉横の端末にかざすと、販売機の扉が開きます。欲しい飲み物を取り出して扉を閉めると、AIが取り出した商品を判別し、代金が自動で決済されます。QRコードを読み取って利用することもできます。

一般的な自動販売機のように、ボタンで商品を選ぶ必要はありません。冷蔵庫を開けて飲み物を取る感覚に近く、支払いまで自動で終わることに驚きました。

2.朝から買い物、支払いはスマートフォン

大連の朝は早く、商店が開く前から、通り沿いや市場に露店が並びます。
野菜や果物、魚介類を買う人のほか、肉まんやお粥などの朝食をその場で食べたり、持ち帰ったりする人も多く見かけます。

大連に住んでいた頃は当たり前でしたが、日本ではスーパーが開く前から食材を買いに出かける光景はあまり見かけません。朝食とその日の食材を朝のうちに買うのが、今も大連の暮らしの一部です。

露店でも、店先のQRコードを読み取ってスマートフォンで支払います。
昔ながらの朝市でも、支払いはすっかりキャッシュレスになっていることが印象的でした。

3.子ども向け施設がショッピングモールの主役

久しぶりに大連のショッピングモールを訪れ、驚いたのが子ども向け施設の多さです。

室内遊園地やゲームコーナーのほか、スポーツや手作り体験、習い事の教室など、内容もさまざまです。日本のショッピングモールにも子ども向けスペースはありますが、大連では一つのフロアに複数の施設が集まり、その規模に驚きました。子ども向け施設そのものが、家族でショッピングモールを訪れる目的になっています。

子どもを遊ばせながら食事や買い物もできるため、ショッピングモールは家族で長く過ごす場所になっていました。

4.価格が高くても選ばれるサムズクラブ

大連の「サムズクラブ(中国名:山姆会员商店)」も、多くの買い物客で賑わっていました。米国ウォルマート系の有料会員制倉庫型スーパーです。

日本では、会員制倉庫型スーパーと聞くと、コストコのように「大容量で割安」というイメージを持つ方も多いと思います。一方、中国のサムズクラブは、安さよりも高品質な食品や会員限定の商品に力を入れています。

例えば、街の市場ではトマト4~5個が5元ほどですが、サムズクラブでは1個5元ほどのトマトもありました。それでも、カートいっぱいに食品を購入する家族が目立ちました。

価格が高くても、品質や品ぞろえに納得すれば購入する人が多く、食品へのこだわりを感じました。

大連から感じたこと

大連では、朝から街に人が集まり、移動や支払いはより簡単になり、ショッピングモールは家族で過ごす場所に変わっていました。食品も、安さだけでなく品質で選ぶ人が増えていると感じました。

日本の観光地や商業施設でも、手続きを簡単にするだけでなく、わざわざ足を運びたくなる体験や商品を増やすことが大切だと感じました。

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